キャブセット理論(実際編5) ( No.64 ) |
- 日時: 2004年08月26日(木)13時02分23秒
- 名前: 騎士鉄十字章柏葉付
- 実際のメイン系とPwJのセットアップを考えてみましょう。
前述のとおり、VJ21J型は、キャブに電制が無いので、メイン系は、中回転域に合わせています。 ピーク域は、PwJを大きくして充分に供給します。 この場合、PwJというものの作動が不安定なので、スロットルワークに注意が必要となることです。 PwJは、高いところに付いているので、そこまでの吸い出すのにどうしてもタイムラグが発生します。
レーサーでも、250はPwJにたよる傾向が大きく、 高回転でスロットルを開け閉めする125は、MJ主体でセットするようです。
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キャブセット理論(実際編6) ( No.65 ) |
- 日時: 2004年08月28日(土)00時02分50秒
- 名前: 騎士鉄十字章柏葉付
- ところが、21K型、以降22は、デューティ・ソレノイドでメインのブリード・エアをコントロールするようになりました。
このコントロールは、そのときそのときの空燃比を、広い範囲で自由にコントロールできます。
ということは、PwJなど使わず、そのコントロールだけで理想的な空燃比が得られるということになります。
実際、M型以降のSTD車には、PwJがついていません。 これは、STD車は改造を考慮に入れていないので、ユーザー側でリ・セッティングできない(しにくい)ということになります。
逆にいうと、MJを変えた場合、ソレノイドの制御も変えないと、根底からセットが崩れ去るということです。
なので、SP車にはPwJを付けて、セット巾を持たせていると考えています。
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キャブセット理論(JN系基礎編7) ( No.66 ) |
- 日時: 2004年08月28日(土)00時21分28秒
- 名前: 騎士鉄十字章柏葉付
- メイン系は以上ですが、次に働きがややこしいジェット・ニードル/ニードル・ジェットを解説しましょう。
JN系はご存知のとおり、1/4〜3/4くらいの開度に影響します。 この開度でピーク以上に回すのは邪道に近いので、回転数は中回転〜ピーク を考えます。
ここはじつのところあまり悩むことはありません。 JNは、標準もしくは同モデルの新型車(同じキャブ口径)のものを、使うだけです。 段数も標準位置以外にセットすると、ロクなことがありません。 段数は、テーパーの始まる高さを変更するものであり、この高さというものは、キャブとエンジン本体で決まってしまいます。 なので、段数をヘタに変えると、開け始めのセットがメタメタになります。
ただし、1/2以上のJN系の様子を見るときに変更してみるのは、セットアップの時間短縮になります。 ただし、傾向がわかったら、NJなどで対策をして、段数は元に戻します。
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キャブセット理論(JN系基礎編7) ( No.67 ) |
- 日時: 2004年08月28日(土)00時42分52秒
- 名前: 騎士鉄十字章柏葉付
- 実際のセットの際は、メイン系の後に行います。
また、改造車でも、JN系は標準のままメイン系を行うのが良いでしょう。
なぜなら、標準はまず無難でウス目になるので、メイン系が極端に濃くても、1/2開であればとりあえず走れますし、メイン系の状態を見る前に、ウス目で走ってプラグやエンジン内をクリーンにできるからです。
まず1/4開の状態を確認します。 このあたりは開け始めなので、重視するべきなのは、スポーツ走行の場合であれば、ターンでのパーシャル出しということになります。
また、この部分でのツキは、むしろパイロット系に左右されますので、惑わされないように。
10,000rpm以上からエンブレで減速し、その後7〜8,000rpmでパーシャルを出してみます。 濃くても薄くても、パーシャルが安定しにくいので、NJで調整します。 もちろんできるだけ濃い目のほうが安全です。
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キャブセット理論(JN系基礎編7) ( No.68 ) |
- 日時: 2004年08月28日(土)15時55分40秒
- 名前: 騎士鉄十字章柏葉付
- 1/4開あたりがソコソコ出たら、1/2〜3/4開を合わせます。
ターンでの2次旋回〜立ち上がりで使いますので、8,000〜9,500rpmを主にあわせます。
1/4開からスムーズに開いて行き、様子を見ます。 1/4開付近とバランスを見ながら、傾向をチェックします。 この傾向を見るときのみ、段数変更を使います。
FL針を使う場合、1/4開で濃く、1/2〜3/4開で薄くなることがあります。 その場合、GH針に変更すれば、マシになります。
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キャブセット理論(PJ系基礎編7) ( No.69 ) |
- 日時: 2004年08月29日(日)20時05分36秒
- 名前: 騎士鉄十字章柏葉付
- PJ系が最後になりましたが、最初に調整すべきところです。
はっきり云って、VJ22の場合は、レーサーであろうと#27.5(だったよね?)でOKです。 21もこれにしたほうが良いでしょう。 もちろん、好みで±#2.5くらい動かすのはいいでしょう。 PJは、ほぼ全閉以外に影響しません。
PAJは、0.7〜1.3までで調整します。 その調整巾を越えたほうが調子がよい場合は、PJを換えるべきでしょう。 これは、ターンで開き始めるところで決めますので、エンブレから7,000〜9,000rpmでの開き始めで合わせます。
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キャブセット理論(PJ系基礎編9) ( No.70 ) |
- 日時: 2004年08月29日(日)20時08分12秒
- 名前: 騎士鉄十字章柏葉付
- 薄い(PAJが大きい)と、開き始めのレスポンスが過敏になります。
逆に濃い(PAJが小さい)と、ツキが非常に悪くなります。
また、ニュートラルで1/4開以内でブリッピング(空ぶかし)でも、ある程度わかります。 8,000prmくらいでブリッピングして、ツキが良すぎたり、反応が鈍いのは薄過ぎです。 逆に濃い場合は、「ボボボ」という感じで引っかかります。
このあたりは、JN系と影響範囲が重なりますので、双方でバランスをみながら調整します。
JN系とPJ系は、エンジンの基本形式が異ならない限り、大幅に変わるものではありません。 ので、大幅に変わる場合は、他の原因をあたりましょう。
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キャブセット理論(総集編10) ( No.71 ) |
- 日時: 2004年08月29日(日)20時23分37秒
- 名前: 騎士鉄十字章柏葉付
- 以上、小生の現在の考え方と、セットの方法を列記しました。
あくまで、今のところベターと思われることです。 今後も精進する予定?ですので、前言をあっさり翻すやも知れません。
あと、キャブセットにまつわる四方山話しを。
・チャンバー交換では、そんなにキャブセットは変わりません。 これは、4stのように、チャンバーでキャブの脈動そのものは、あまり影響を受けないからでしょう。
・サイレンサーは影響します。ヌケが良いと、薄めになるようです。といっても、+#10〜20くらいです。
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キャブセット理論(総集編11) ( No.72 ) |
- 日時: 2004年08月29日(日)20時30分59秒
- 名前: 騎士鉄十字章柏葉付
- (つづき)
・直キャブだと、大きく変わります。 といっても、影響を受けるのはMJ、PwJ系のみです。 その他は、1ランク変わる変わらないかです。
・混ぜガスも、大きく変わります。 これは、燃焼に関係の無いオイルが、燃料としてジェットを通過するのと、燃料がオイルでネバるためです。 MJで1.5〜2倍くらいが目安です。
・AV、レースガスに比べ、無鉛ハイオクは比重が大きい(重い)ので、セットアップガイドより大きいMJが必要になります。
・直キャブの場合でも、キャブボックスは残します。 TM○○SSのような形状の場合、フルチンにすると、エアジェットの吸い込み口付近の気流が安定せず、特に高速域では負圧が発生して濃い症状が出ます。 すなわち、エアを吸い込むべきMAJ、PAJから、逆に燃料を吸い出してしまうことになります。
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キャブセット理論(総集編12) ( No.73 ) |
- 日時: 2004年08月29日(日)20時45分52秒
- 名前: 騎士鉄十字章柏葉付
- (つづき)
・エンジンの焼き付きに対して、オイルの供給量はそんなに影響しません。 極端に少ない場合はアウトですが、常識的(STD状態)な範囲であれば、何の影響もありません。 レースエンジンの場合、1:50でも大丈夫のようです。 逆に1:20以上濃くすると、性能低下が顕著になるとのことです。 すなわち、安全を見て、どのメーカーも1:30を指定しているようです。
・キャブセットの不良は、焼き付きの原因になりますが、キャブセットのみで焼き付きを防止することは出来ません。 特に、ピストンまわりのチェックは大切です。 リングスティックなどで圧縮が抜けると、不思議なことに焼き付きます。
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